龍が生まれた日  2006年4月27日 木曜日

             このチビちゃんは、いったい誰?
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             う~~ん♪タレた目元に見覚えが~♪
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             は~い、正解~♪それは龍でした~♪
             本日はtonちゃん始め、何人かのみなさんからご要望のあった、龍が生まれた日の
             お話し、やっとこさのアップで~す♪
             ワンコの数だけは多い竜田庵ですが、我が家で生まれたのは何と
             この龍1匹だけ!
             そんな龍が生まれた日は・・・・・竜田庵、歴史に残る1日となった日なのでした♪
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             龍のママはこの方、暴君萌さんであります。
             動物管理センターや道端とか、とにかくわけのわからないド雑種ばかりを拾ってくるたっちゃんを
             「オレにも1匹くらい、ちゃんとした日本犬ば買うてくれよお!」と拝みたおして
             竜田庵の主が連れ帰った、小さな小さなワンコ。
             それが生後たった30日で我が家にやって来た、この萌なのでした。
             萌は他のランや小菊と一緒に暮らしながらすくすくと成長し、やがて立派な大人になりました。
             ワンコを飼ったことがある方なら、誰もがいちどはもつ夢「この子の子供が欲しい」
             たっちゃん夫婦はブリーダーさんに相談して、萌に赤ちゃんを産んでもらうことに決めました。
             赤ちゃんを産むということ。犬は安産だなんて言われてますが、それは大きなまちがいなのです。
             難産のワンコもいれば、障害を持って生まれて来る子だっているし、死産のことだって
             あります。ワンコだって、赤ちゃんを産むということは、命がけなんです。
             何が起ころうと、全てを受け入れる覚悟でたっちゃん夫婦は萌をブリーダーさんちの
             男の子ワンコと結婚させました。でも・・・1回目はダメ。赤ちゃんはできませんでした。
             その次の2回目も・・・・・ダメ・・・
             萌って赤ちゃんができない体なんだろうか。そう思いながらも、萌、3回目に挑みました。
             順調に生まれれば7月11日が出産予定日という萌を、獣医さんに往診で診ていただいたのが
             2004年の6月末。ワンコのお産は交配から2ヵ月後なので、おなかに赤ちゃんが
             できてるのなら、もうわかるはず。玄関で獣医さんの触診をおとなしく受ける萌。
             この道やがて40年のベテラン、おじいちゃん獣医さんの言葉
             「う~~ん、残念だけど今度もできとらんね」
             ガック~ン!!うそお!
             3回目もダメだったのか・・・この道40年のベテラン獣医が言うのだから、まちがいない・・・ 
             たっちゃん夫婦は失意のどん底にいました。
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             この次にかけるか・・・仕方なくあきらめ、萌の頭をなでるワタシ。
             萌、何か言いたそうに真っ直ぐな目でこちらを見ていました。
             ところが・・・それから日にちが過ぎて行くにつれ、萌の体に異変が・・・・・
             お乳が大きくなってきたのです。????獣医さんに電話で聞いたら、想像妊娠を
             しているのかもしれないとのこと。そうなのか・・・かわいそうな萌・・・
             毎晩夜に萌の体をお湯でふいてあげるたびに、想像妊娠している萌をふびんに思いながらも
             大きくなっていくお乳への疑問を、完全には拭い去れないたっちゃん。
             「まさかね・・・・・」
             この道のプロの言うことに間違いはないはず。
             「お父さん、まさか小さな子が1匹おなかにいるなんてことないよね・・・」
             「まさかあ~!!だってあっちはプロなんだぜ!」
             「だよね~」
             でも、でも、でも、運命のあの日は、こんな会話を交わした5時間後にやって来たのでした。

             2004年7月11日午前2時。
             「おい!おい!起きろ!!」
             ネボケまなこで「へ?何?」とあわてている主人に聞くワタシ。
             「萌が、萌が~~!!オレの部屋で子犬を生んどる~~!!」
             「ええ~~っ!!」
             急いで主人の部屋に飛んで行くと・・・・そこにはまだお尻から子供をぶら下げたままの萌が
             ハアハアと荒い息で横たわり、うるんだ瞳でこちらを見ているではありませんか!
             部屋は血まみれ・・・貧血を起こしそうなワタシ・・・
             どうしたら、どうしたら・・・冷静にならなければ・・・
             そうだ!先生に電話して来ていただこう!
             夜中に失礼は承知の上で獣医さんに電話・・・しかし・・・・・
             留守録ですか・・・・・獣医が・・・出ない・・・・・
             完全に産み落としてはいるものの、つながったままの胎盤を切ろうともしない萌。
             切らなければ、胎盤を・・・でも、どうやって・・・
             もう出番がないものと、本棚の奥にしまいこんでいた「犬の繁殖とお産」の本を引っ張り出し
             「子犬の胎盤とつながっているへその緒をおなかから1cmのところで、糸でしばり
             ハサミで切る」
             で、できない!こんなおそろしいこと!でも、やらなければ!
             爬虫類ばかりか、こんなことも全く苦手の主人に
             「お父さん!ワタシが糸でしばって切るから、お父さんは子犬が動かないように
             手で持ってて!」
             「う、うん!わかった!」
             何が何だかわからないけど、涙目になりながら、とにかく本に書いてある通りに
             やってみるたっちゃん夫婦。主人の手の平の中の、小さな命を死なせるわけにはいかない!
             裁縫箱から持ってきた木綿糸と100円ショップのハサミ。
             震える手で何とか書いてある通りに糸でしばり・・・切る・・・・・切らなければ・・・
             「切るからね・・・切るよ・・・切っちゃった・・・」
             汗と涙で顔はびっしょり。
             鬼瓦の主人の顔も滝汗・・・・・ 
             手の平の中の、ネズミのように黒くて小さな子犬。それを見つめる夫婦。
             重い胎盤からの開放。どっと安堵のため息が~♪ 
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             あとは・・・あとは萌ママがやってくれるでしょう。
             私たちは萌と萌の赤ちゃんを、タオルを敷き変えたケージに入れて
             ひとまず部屋を出ることにしました。赤ちゃん、もう萌のお乳を吸っています。

             グッタリと茶の間に腰をおろして、お茶を飲みながらも無言の夫婦・・・
             心の中のわずかな疑問が的中した驚き。
             でも、やっと念願の萌の子供ができた喜び。
             その後の山のような洗濯物に追われながらも、小さな命の誕生に踊ってしまいそうな
             喜びを隠せないたっちゃんが、そこにいました♪
             そして、その子犬は主人が龍斗と名付けました♪
             萌の子犬が欲しいと切望した夫婦にやっと授かった、それが「龍」なのでした。

             萌ママのお乳を飲む龍。この時、生後2週間くらい♪
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             何と、あのわがままで暴君の萌が、献身的に我が子の世話をしています!
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             モグラのような龍。
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             ヘソ天で、ビロ~~ン♪
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             世話をしているうちに、龍と一緒に寝てしまった萌。
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             やがておもちゃで遊ぶことを覚え
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             子犬らしく活発になっていきます♪
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             ここでも子守係りの優しい小菊。
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             2ヶ月過ぎたあたりかな・・・お口のまわりが真っ黒な龍。
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             3ヶ月には、1ヶ月年上のデンをお兄ちゃんに迎え
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             その半年後には妹の春がやって来て、龍もお兄ちゃんになりました。
             みなさん、もうご存知のように春にはとても面倒見のよいお兄ちゃん。
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             そして、去年1歳過ぎて、ご町内の皆様の安全を守るため、デンと結成したワンコ警邏隊。
             こんなにりっぱな(?)若犬になりました~~♪  
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             長いお話しを最後まで読んでくださって、本当にありがとうございました。
             赤ちゃんができていることも知らないまま迎えた萌の出産。
             初めてのお産なのに、へその緒まで切らなければならなくなった恐怖のあの日。
             大変だったけれど、とてもいい経験になりました。
             人間やればできるんだ~なあんてね♪

追記です・・・このおじいちゃん先生の病院には、レントゲンも超音波とかもありません。
        昔ながらの「診療所」のような病院なのです。
        レントゲンくらいは置いてほしいけれど、先生のお年を考えると無理も言えないのかも・・・
        その後のランの件もあり、今現在は竜田庵のワンコたちは3軒の獣医さんで
        お世話になっています。 

                                     ☆手の平の小さな命をのぞき込み 
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               今日の一言♪またまたお散歩途中で、こんなもの見つけました~♪
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                        ポストさんにかぶせた帽子。ならんだワンちゃん。
                        ここのお宅にお住まいの方って、どんな人なのかな~♪
by myfamily-days | 2006-04-28 00:41 | ワンコの紹介


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